概要

2026年4月、米国各地で大規模なAIデータセンター開発の発表が相次いでいる。Metaはテキサス州El Pasoへのデータセンター投資額を100億ドルに拡大し、容量1GW(1,000MW)の施設を2028年までに稼働させる計画を明らかにした。またAIクラウドプロバイダーのCrusoeは、Microsoftの大規模AIワークロードに対応するため、テキサス州Abileneに900MWのキャンパスを建設することが明らかになった。ムーディーズの調査によれば、米国の6大ハイパースケーラーが2026年に見込むデータセンター関連の設備投資合計は約7000億ドルに上り、2022年比でおよそ6倍に達する見通しだ。

主要プロジェクトの詳細

テキサス州を中心に複数の大型案件が集中している。GoogleはWilbarger郡でAES提供のクリーンエネルギーを活用した新データセンターを建設中であり、イーロン・マスク氏はオースティンに「Terafab」と呼ばれる半導体・コンピュート施設の建設を提案している。同施設は年間1テラワット規模のコンピュート容量を目指すとされる。テキサス以外では、Penzance ManagementがウェストバージニアBerkeley郡で総投資額40億ドル・600MW IT負荷の「High Impact Intelligence Center」を計画しており、NTT Dataはバージニア州ゲインズビル・シカゴ・サクラメントで合計約115MWの容量を確保している。さらにAligned Data Centersはダラス・フェニックス・北バージニアなどでのキャパシティ拡張に向け25億8000万ドルの資金調達を完了した。

エネルギーと立地戦略の変化

今回の投資ラッシュで顕著なのは、立地選定の優先順位が大きく変化しつつある点だ。従来はファイバーインフラや不動産コストが重視されていたが、現在はいかに大規模な電力を確保できるかが最重要条件になっている。その証左として、オースティンでは太陽光エネルギーのモジュラーシステムを手がけるExowattが11エーカーの新キャンパスを開設した。AIワークロードが要求する膨大な電力消費に対応するため、クリーンエネルギーとの一体的な整備も業界全体のトレンドとなっている。

今後の展望

AIモデルの大規模化と推論需要の急拡大により、データセンター建設ペースは当面加速する見込みだ。テキサス州は電力インフラと土地の豊富さから最有力の開発拠点となっており、複数のギガワット規模プロジェクトが同時並行で進む状況が続いている。一方で、これほどの投資規模の持続可能性や電力グリッドへの影響については業界内外での議論が始まっており、今後は電源確保とグリッド安定化が開発速度を左右する重要な課題となりそうだ。