概要

JetBrainsが開発するKotlin/Java向けビルドツール「Amper」のバージョン0.10が2026年3月31日にリリースされた。今回のリリースでは、JDKの自動プロビジョニング、MavenプロジェクトからAmperへの半自動変換ツール、カスタムKotlinコンパイラプラグインのサポートという3つの主要機能が追加されている。GradleやMavenの代替を目指すビルドシステムとして、実用性と移行容易性の面で大きく前進した内容となっている。

JDK自動プロビジョニング

これまで開発者が手動で行う必要があったJDKのインストール・設定を、Amperが自動化する機能が追加された。デフォルトではJDK 21が自動的にダウンロード・インストールされ、module.yamlにてバージョンやディストリビューション(ZuluやTemurinなど)を明示的に指定することも可能だ。JAVA_HOME環境変数が設定されている場合はそちらが優先される。この機能により、プロジェクトのクローン直後にJDKのセットアップなしで即座にビルドを開始できるゼロコンフィグレーションなワークフローが実現した。

Mavenプロジェクト変換ツール

既存のMavenプロジェクトをAmperへ移行しやすくするため、./amper tool convert-projectコマンドで動作する半自動変換ツールが導入された。このツールはpom.xmlを読み込み、対応するAmperの設定ファイルを自動生成する。layout: maven-like設定によりMavenのディレクトリ構造をそのまま維持できるため、ファイルの再配置が不要で、完全な書き直しではなく段階的な移行が可能だ。maven-compiler-pluginのようなよく知られたMavenプラグインはAmperのネイティブ設定に変換され、その他のプラグインはmavenPluginsセクションに追加されてAmperによるビルド中に実行される。

今後の展望

本リリースはAmperが実験的なツールから実用的なビルドシステムへと進化する過程における重要なマイルストーンといえる。なお、今回追加された機能の利用にはIntelliJ IDEA 2025.3.4または2026.1以降と最新のAmperプラグインが必要となる。JetBrainsはMavenエコシステムとの互換性を高めながら、開発者の初期セットアップの摩擦を減らす方向で開発を継続している。