概要

イーロン・マスク率いるSpaceXが、2026年4月1日にSEC(米証券取引委員会)に対してIPO(新規株式公開)の秘密申請書を提出したと、CNBCおよびBloombergが報じた。社内コードネーム「Project Apex」と呼ばれるこの計画では、上場先にNasdaqが有力視されており、2026年6月頃の上場を目指しているとされる。TechCrunchは当初の報道で評価額を1兆7,500億ドル(約1.75兆ドル)と伝えたが、翌4月2日にBloombergは事情に詳しい複数の関係者への取材に基づき、目標評価額が2兆ドル超に上ることを報じた。

史上最大規模のIPOとなる可能性

調達目標額は最大750億ドル(約11兆円)とされており、これが実現すれば2019年のサウジアラムコIPO(約290億ドル調達)を大幅に超え、米国・世界史上最大規模のIPOとなる。評価額2兆ドル超はAppleやMicrosoftと肩を並べる水準であり、民間宇宙企業としては前例のない規模だ。

幹事銀行には21の金融機関が参加しており、主幹事はMorgan Stanley、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Bank of America、Citигroupといった大手が名を連ねる。銀行側の手数料収入は数億ドル規模に達する見通しとされ、金融業界全体の注目を集めている。なお、サウジアラビアの政府系ファンド**PIF(Public Investment Fund)**が約50億ドルのアンカー出資として交渉中との報道もある(Reuters)。

SpaceXのビジネス規模と背景

SpaceXの2025年業績は売上高約160億ドル、EBITDAは約80億ドルと報じられており、高い収益性が評価額を押し上げている。主要な収益源はStarlink衛星インターネットサービス(加入者数は約1,000万人超)であり、Falcon 9ロケットの打ち上げ事業も安定した収益を生み出している。また、2026年2月にはxAI(マスクが設立したAI企業)との合併が完了しており、AI・宇宙・通信を融合した事業体としての期待感も評価額に反映されている模様だ。

今後の見通しと不確実性

秘密申請(confidential filing)はIPOの意向表明の初期段階であり、SECの審査を経て目論見書が公開されるまで詳細な財務情報は非公開となる。協議は現在進行中で、評価額や調達額、上場時期はいずれも変更の可能性があるとされる。予測市場Polymarketでは、2026年6月30日までの上場確率が63%と予測されていた。SpaceXは報道各社のコメント要求に対して即時の回答をしていない。