概要

Metaは2026年3月27日、ルイジアナ州北東部 Richland Parish で建設中のHyperion AIデータセンターキャンパスに電力を供給するため、ガス火力発電所の発注数を3基から10基へと3倍以上に拡大すると発表した。地域電力会社Entergyとの間で約110億ドルの契約を締結し、総発電容量は7.5ギガワットに達する。これに加えてバッテリー蓄電を含む再生可能エネルギー設備を最大2.5ギガワット導入する計画も示された。この規模はルイジアナ州全体の送電網容量を30%以上増加させるインパクトを持ち、AIデータセンターの急増する電力需要を改めて浮き彫りにした。

プロジェクトの拡大経緯

Hyperion プロジェクトは2024年12月に100億ドルの投資計画として発表され、当初は2,250エーカーのキャンパスを想定していた。その後2026年初めに追加で1,400エーカーを取得し、敷地面積は計3,650エーカー(フットボール場約2,700面分)まで拡大。Mark Zuckerberg CEO は「マンハッタンのフットプリントの相当部分に匹敵する規模」と表現している。2025年10月にはBlue Owl Capitalとの合弁会社を設立し、総開発費は270億ドル規模へと膨らんでいた。発電所についても2025年秋にルイジアナ公益事業委員会(Louisiana Public Service Commission)が3基を承認していたが、今回の追加7基については改めて委員会の承認を得る必要がある。

費用負担と規制の課題

Metaはこのインフラ整備費用を全額自社で負担し、Entergyの一般消費者には転嫁しないと明言している。データセンター担当VP Rachel Peterson は「Entergyの他の消費者に我々のコストを負担させないことが重要だ」と述べた。この点は、オレゴン州での大規模データセンター展開が原因でPortland General Electricの電気料金が5年間で50%上昇した事例と対比される。同州ではその後、大口顧客にインフラ整備費の独自負担を求める新規制が導入されており、ルイジアナでも同様の懸念が持ち上がる可能性がある。発表を受けてEntergyの株価は7%急騰した。

環境目標との矛盾

Tom’s Hardware などメディアは、MetaがかねてAIの環境コミットメントを掲げながら大規模な化石燃料インフラへの依存を深めていることを批判的に取り上げている。再生可能エネルギー設備の併設計画はあるものの、主力となる10基のガス火力発電所は長期にわたりCO₂を排出し続ける。AIワークロードの電力消費が指数関数的に増大する中、テック大手が環境目標と現実のエネルギー調達の間でどう折り合いをつけるかは、業界全体の課題として注目が集まっている。