概要

Microsoftは2026年3月25日、Visual Studio Code 1.113を正式リリースした。週次Stableリリース体制への移行後、本格的な機能強化を含むリリースとして注目される。今回のアップデートでは、AIエージェント関連の機能が大幅に拡充されたほか、チャット体験の改善、エディタのブラウザタブ管理機能、新しいデフォルトテーマの導入など、幅広い領域で改良が加えられている。

AIエージェント機能の強化

最も目を引く新機能の一つが「Thinking Effort」セレクターだ。Claude Sonnet 4.6やGPT-5.4など推論をサポートするモデルにおいて、モデルピッカーから思考量を「Low」「Medium」「High」の3段階で切り替えられるようになった。これにより、簡単な質問には素早い応答を、複雑な問題には深い推論をといった使い分けが可能になる。従来のgithub.copilot.chat.anthropic.thinking.effortおよびgithub.copilot.chat.responsesApiReasoningEffort設定は非推奨となった。

サブエージェントのネスト呼び出しも重要な追加機能だ。chat.subagents.allowInvocationsFromSubagents設定を有効にすることで、サブエージェントが別のサブエージェントを呼び出せるようになり、複雑なマルチステップワークフローの構築が可能になった。さらに、MCPサーバーをCopilot CLIやClaudeエージェントと共有できるようになり、ローカルエディタを超えたMCPサーバーの活用が広がった。

チャット体験とセッション管理の改善

チャットカスタマイゼーションエディタがプレビューとして導入され、カスタムインストラクション、プロンプトファイル、カスタムエージェント、スキルなどを一元的に管理できるインターフェースが提供された。コードエディタの埋め込みやAI支援によるコンテンツ生成機能も備えている。

セッション管理面では、Copilot CLIやClaudeエージェントのセッションをフォークする機能が追加された。github.copilot.chat.cli.forkSessions.enabled設定で有効化でき、元のコンテキストを失うことなく異なる思考の方向性を探索できる。また、エージェントデバッグログパネルがCopilot CLIやClaudeエージェントのセッションにも対応し、デバッグが容易になった。

エディタとUIの改善

エディタ体験では、統合ブラウザでの自己署名証明書の一時的な信頼機能が追加された。開発時に自己署名証明書を使用する場面で、1週間有効な一時的信頼を付与でき、必要に応じて失効させることも可能だ。ブラウザタブ管理も強化され、⇧⌘A(Windows/LinuxではCtrl+Shift+A)でのクイックオープンや、タイトルバーへのグローブアイコン表示、全タブの一括クローズなどが利用できるようになった。

デフォルトテーマも刷新され、「VS Code Light」と「VS Code Dark」が従来の「Modern」テーマに代わる新しいデフォルトとして導入された。新規インストールではOSテーマとの同期がこの新テーマに自動設定される。なお、v1.110で非推奨となったEdit Modeは完全に廃止され、v1.125まではchat.editMode.hidden設定による再有効化が可能だが、その後は完全に削除される予定だ。