Forgejo v15.0リリース、プロジェクト100番目のリリースはLTSバージョン

概要 Forgejo v15.0が2026年4月16日にリリースされた。このバージョンはプロジェクト通算100番目のリリースを記念するマイルストーンであり、LTS(長期サポート)バージョンとして位置づけられている。サポート期間は2027年7月15日までとなっており、安定性を重視する本番環境への採用が推奨される。なお、前LTSバージョンであるv11.0は2026年7月16日までサポートが継続される。 主要な新機能 今回のリリースで特に注目される機能のひとつがリポジトリ固有のアクセストークンだ。従来のアクセストークンはアカウント全体に対して権限が付与されていたが、v15.0では特定のリポジトリのリストにトークンの適用範囲を制限できるようになった。これにより、CI/CDや外部連携における最小権限の原則を徹底しやすくなる。 Forgejo Actionsにも複数の重要な改善が加えられた。再利用可能なワークフロー展開での複数ジョブサポートが追加されたほか、OpenID Connect(OIDC)が新たにサポートされ、クラウドプロバイダーなどのサードパーティシステムとの認証を長期的なシークレットなしに行えるようになった。またエフェメラルランナー(1ジョブ実行後に破棄される使い捨てランナー)も利用可能となり、よりセキュアなCI環境を構築できる。さらに、Web UIからのランナー登録が簡略化されている。 パッケージレジストリの面では、アップロードされたコンテナイメージがorg.opencontainers.image.sourceラベルまたはコンテナ名に基づいて自動的に対応リポジトリへリンクされる機能も追加された。UIの改善としては、マウス操作のみでラベルを除外できるボタンの追加、レスポンシブ対応したリリースリスト、プルリクエスト画面からGitノートを編集できる機能なども含まれる。 移行時の注意点 v15.0への移行にあたっては2点の破壊的変更に注意が必要だ。まず、デフォルトのクッキー名が変更されたため、アップグレード後にユーザーの再ログインが必要となる(設定変更によって回避も可能)。次に、Docker rootless環境での設定ファイルの場所が/etc/gitea/app.iniから/var/lib/gitea/custom/conf/app.iniへ変更されたため、カスタム設定を持つ環境では対応が必要となる。

April 19, 2026

GoogleがLLMで統合テスト障害を自動診断する「Auto-Diagnose」を実運用、精度90%超を達成

概要 Googleは、LLM(大規模言語モデル)を活用して統合テストの失敗を自動的に診断するシステム「Auto-Diagnose」を発表した。同システムは、テスト失敗時の非構造化ログを解析し、障害の根本原因を特定した上で、開発者にとって分かりやすいサマリーを生成する。Googleの社内コードレビュープラットフォームである「Critique」に統合されており、開発ワークフローの中でリアルタイムに診断結果を提供できる点が特徴だ。 2万2,962人の開発者によるコード変更を対象に実運用されており、5万2,635件にのぼる固有の失敗テストへの適用実績を持つ。71件の実際の障害を対象とした手動評価では、根本原因の特定精度が90.14%に達しており、実用レベルの高い精度を示している。 技術的な仕組みと評価結果 Auto-Diagnoseは、テスト失敗時に生成される複雑なログデータをLLMに入力し、重要なログ行を抽出・要約することで根本原因を特定する。Critiqueへの統合により、開発者はコードレビューの画面上で診断結果を直接確認でき、障害調査に費やす時間を大幅に削減できる。 ユーザー満足度の面でも高い評価を得ており、「役に立たない(Not helpful)」と評価された割合はわずか5.8%に留まった。また、Critique上で診断結果を投稿する370のツールの中で14位にランクインしており、実際の開発現場における信頼性の高さが裏付けられている。 意義と今後の展望 本研究は、LLMが複雑なテキストデータの診断タスクに有効であることを実運用規模で実証した点で意義深い。従来、統合テストの失敗原因の特定は開発者にとって時間と労力を要する作業であったが、Auto-Diagnoseはその負担を大幅に軽減する可能性を示している。AI診断ツールをコードレビューフローに直接組み込むことで、開発者の採用障壁を下げつつ高い精度を維持するというアプローチは、大規模なソフトウェア開発組織における生産性向上の新たなモデルとなり得る。

April 19, 2026

KDE Gear 26.04リリース — KDE 30周年を飾るアプリ大型アップデート

概要 KDE Gearは2026年4月16日、バージョン26.04をリリースした。このリリースは「KDE at 30」とも呼ばれ、KDEプロジェクトの設立30周年を記念する節目のアップデートとなっている。KDE GearはKDE Plasmaデスクトップ環境とは独立したアプリケーション群のリリースサイクルであり、ファイルマネージャーやカレンダー、動画編集ツール、チャットクライアントなど幅広いカテゴリのアプリが今回のリリースで改善を受けた。 主要アプリの改善内容 Dolphin(ファイルマネージャー) では、メニュー・プラグイン・拡張機能のほぼすべての操作にカスタムキーボードショートカットを割り当てられるようになった。これによりパワーユーザーが自分好みのワークフローを構築しやすくなる。 Kdenlive(動画編集) には複数の実用的な新機能が追加された。コンポジション(トランジション)に動画アニメーションプレビュー機能が加わり、適用前にトランジション効果を確認できるようになった。また外部ディスプレイへのモニターミラーリング、タイムラインのコンテキストメニューからのクリップ直接インポート、複数クリップの速度同時変更にも対応した。 NeoChat(Matrixチャットクライアント) にはリッチテキストエディタとスレッドサポートが実装された。これにより長いディスカッションを整理しやすくなり、Matrixプロトコルのユーザー体験が向上する。 Merkuro Calendar と KOrganizer はUIを刷新し、スケジュールビューやイベントエディタをよりモダンなデザインに改めた。カレンダー系アプリ全体で視認性と操作性が改善されている。 KDE Itinerary(旅行アシスタント) では地図ビューのバックエンドにMapLibreを採用し、ベクターベースのタイルレンダリングによりどのズームレベルでも鮮明な地図表示が実現した。Photos(画像ビューア) にはフローティングズームバーや標準ズームショートカットが追加され、KClock はモバイルのロック画面へのオーバーレイ表示に対応した。 KDE 30年の歩みと今後 1996年の設立から30年を迎えたKDEプロジェクトは、Okular(21年の歴史)やKOrganizer(23年)のような成熟したアプリと、NeoChat・AudioTubeといった新興プロジェクトが共存するエコシステムへと成長した。今回のGear 26.04リリースは、長年の実績あるツールの継続的改善と新世代アプリへの投資を両立させており、OSSデスクトップ環境としてのKDEの多様性と持続性を改めて示すものとなった。

April 19, 2026

nginx-uiのMCP統合に認証バイパス脆弱性CVE-2026-33032(CVSS 9.8)、野生での悪用を確認

概要 オープンソースのNginx管理ツール「nginx-ui」に、認証バイパスを可能にする重大な脆弱性CVE-2026-33032(CVSS 9.8)が発見され、野生での積極的な悪用が確認されている。この脆弱性を悪用することで、認証なしにNginxの設定ファイルの読み書き・削除やサービスの再起動が可能となり、最終的にはNginxサーバーの完全な乗っ取りに至る。修正版はバージョン2.3.4(2026年3月15日リリース)で提供されており、現時点での最新安全版は2.3.6となっている。Shodanによる調査では、世界全体で約2,689件のインターネット公開インスタンスが確認されており、中国・米国・インドネシア・ドイツ・香港に集中している。 技術的な詳細 脆弱性の根本原因は、nginx-uiがModel Context Protocol(MCP)統合に追加した/mcp_messageエンドポイントの認証制御の不備にある。/mcpエンドポイントにはIPホワイトリストと認証の両方が要求されるのに対し、/mcp_messageエンドポイントにはIPホワイトリストのみが適用され、かつデフォルトのホワイトリストが空であるため、ミドルウェアが「すべて許可」と判断してしまう設計上の欠陥がある。 攻撃の手順は以下の2段階で構成される。まず攻撃者はHTTP GETリクエストを/mcpエンドポイントに送信してServer-Sent Events(SSE)接続を確立し、セッションIDを取得する。次に取得したセッションIDを使ってHTTP POSTリクエストを/mcp_messageに送ることで、認証なしにすべてのMCPツールを呼び出せる。NISTはこの脆弱性について「ネットワーク上のいかなる攻撃者も、Nginxの再起動・設定ファイルの作成・変更・削除・自動リロードのトリガーを含む全MCP機能を認証なしで実行できる」と説明している。 関連する脆弱性と影響範囲 本脆弱性と連携して悪用される可能性がある二次的な脆弱性として、CVE-2026-27944も存在する。バージョン2.3.3未満では、/api/backupエンドポイントから暗号化キーが漏洩するため、攻撃者はシステムバックアップをダウンロードしてユーザー認証情報・SSL秘密鍵・MCPの認証に使われるnode_secretパラメータを平文で抽出できる。 CVE-2026-33032の悪用に成功した攻撃者は、Nginx設定ファイルへの任意の改ざん、悪意あるサーバーブロックの注入、トラフィックの傍受と管理者認証情報の収集など、サービス全体の制御を数秒以内に奪取できる。 対策と推奨事項 直ちにnginx-uiをバージョン2.3.4以降(推奨は最新の2.3.6)にアップグレードすることが最優先の対応となる。修正版では/mcp_messageエンドポイントへの認証ミドルウェアの追加と、IPホワイトリストのデフォルト動作を「すべて許可」から「すべて拒否」に変更する対応が施されている。アップグレードが直ちに困難な場合は、インターネットからnginx-uiへのアクセスを遮断し、内部ネットワークからのみアクセス可能な構成に変更することを検討すべきである。野生での悪用が確認されている以上、公開されているインスタンスは早急な対応が求められる。

April 19, 2026

13年前から潜在したApache ActiveMQの脆弱性CVE-2026-34197がCISA KEVに追加、連邦機関に4月30日までのパッチ適用を義務付け

概要 米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は2026年4月16日、Apache ActiveMQ Classicに存在する高深刻度の脆弱性CVE-2026-34197(CVSSスコア8.8)を既知の悪用された脆弱性(KEV)カタログに追加した。この脆弱性は13年間にわたって検出されないまま存在し続けており、Horizon3のセキュリティ研究者Naveen Sunkavally氏によって発見されたものだ。Apacheは3月30日にパッチを提供しているが、ShadowServerの調査によると現在も8,000件を超えるActiveMQインスタンスがインターネットに公開されている状態にある。 脆弱性の技術的詳細 CVE-2026-34197はApache ActiveMQのJolokia JMX-HTTPブリッジにおける不適切な入力検証の問題に起因する。認証済みの攻撃者がJolokia管理APIを通じた管理操作を悪用し、ブローカーに細工されたURIを送信することでリモートのSpring XML設定ファイルを読み込ませ、任意のOSコマンドを実行できる。Springはバリデーション前にBeanをインスタンス化するため、Runtime.exec()などの手法を通じた任意コード実行が可能となる。 この脆弱性は表面上は認証が必要だが、実際の悪用は現実的だ。多くのデプロイメントでデフォルト認証情報(admin:admin)が使われたままになっていることに加え、バージョン6.0.0〜6.1.1に存在するCVE-2024-32114を組み合わせると、Jolokiaへの認証なしのアクセスが可能となり、未認証のリモートコード実行チェーンが構成される。影響を受けるバージョンはActiveMQ Classic 5.19.4未満および6.2.3未満であり、修正済みバージョン(5.19.4または6.2.3以降)へのアップグレードが推奨される。攻撃の痕跡調査には、ブローカーログ内のbrokerConfig=xbean:http://パラメータやVMトランスポートプロトコルを使った不審な接続の確認が有効とされている。 CISAの対応と影響範囲 CISAはBOD 22-01(Binding Operational Directive)に基づき、連邦民間行政機関(FCEB)に対して2026年4月30日までにすべてのシステムへのパッチ適用を義務付けた。なお、CISAが実際に悪用されたとして報告したApache ActiveMQの脆弱性はこれで3件目となる。 組織はただちにパッチ済みバージョンへのアップグレードを優先し、インターネットへの不必要な公開を避けるようアクセス制限を見直すことが求められる。

April 18, 2026

ChatGPT広告パイロット、米国で6週間に年換算1億ドル超の収益——国際展開へ

概要 OpenAIはChatGPTの広告パイロットプログラムをカナダ・オーストラリア・ニュージーランドへ拡大すると発表した。2026年2月9日に米国で開始した試験運用が予想を上回る成果を上げたことを受け、今後数週間以内に3カ国への展開を開始する。広告の表示対象は無料プランおよびGoプランのユーザーのみとなり、Plus・Pro・Business・Enterpriseといった有料上位プランは引き続き広告なしで利用できる。2026年中にはさらに多くの市場への拡大も計画している。 米国パイロットの成果 米国でのパイロット運用は開始からわずか6週間で年換算1億ドル超の収益を達成し、広告主数は600社以上に達した。初期の参加企業にはTarget・Adobe・Williams-Sonoma・Albertsonsといった大手が名を連ねており、幅広い業種からの関心の高さが示された。OpenAIは「消費者の信頼指標への影響はなく、広告の非表示率は低く、フィードバックを通じて広告の関連性は継続的に改善されている」とコメントしており、ユーザーの受容度が想定よりも良好であることを強調している。 組織体制と広告戦略 広告事業の拡大に向け、OpenAIは元Metaの広告幹部であるDavid Dugan氏を広告営業責任者として採用した。同社は広告モデルを「非課金ユーザーがChatGPTをより広く利用できるようにするための手段」と位置づけており、プラットフォームの信頼性とユーザーのプライバシーを損なわない形で運用することを方針としている。広告収益による収益源の多様化は、急成長するAIサービスの運営コストを賄ううえでも重要な施策となっており、今後の国際展開がOpenAIのビジネスモデルにどう貢献するか注目される。

April 18, 2026

Meta、Quest 3/3Sを4月19日から値上げ——AIデータセンター需要によるRAM不足が直撃

概要 Metaは2026年4月16日、同社のVRヘッドセット「Quest 3」および「Quest 3S」の価格を4月19日から引き上げると発表した。値上げの理由として、AI関連需要の急増によって引き起こされたRAM(メモリチップ)の供給不足を挙げている。AI向けデータセンターがメモリチップを大量に消費していることで、民生向けデバイスへの供給が逼迫し、製造コストの上昇が価格転嫁に踏み切らせた形だ。 新価格の詳細 改定後の価格は以下の通りとなる。 Quest 3S 128GBモデル:$50値上げ → $349.99 Quest 3S 256GBモデル:$50値上げ → $449.99 Quest 3(標準モデル):$100値上げ → $599.99 Quest 3は従来の$499.99から$100という大幅な引き上げとなり、消費者への影響が特に大きい。Tom’s Hardwareは今回の値上げを「価格引き下げの後の値上げ(A price hike after a price cut.)」と表現しており、以前は値下げを実施していたMetaが方針を転換した点に注目している。 背景——AIが引き起こすメモリ争奪戦 今回の値上げの根本原因は、AIインフラ投資の過熱にある。大規模言語モデルやAI推論処理を支えるデータセンターでは、HBM(高帯域幅メモリ)やDDR5などの高性能メモリが大量に必要とされており、半導体メーカーの生産キャパシティをAI向け製品が優先的に占有している。その結果、VRヘッドセットなどの民生向けデバイスに使用されるメモリチップの調達コストが上昇し、Metaはその増加分を価格に反映せざるを得なかった。 この動きはMeta単体の問題にとどまらず、AI需要の拡大がスマートフォン・PC・ゲーム機などの幅広い製品カテゴリのコスト構造に影響を及ぼす可能性を示唆している。XR(拡張現実)市場への参入を検討していた消費者にとっては、今後も価格の先行き不透明感が続くことになりそうだ。

April 18, 2026

Microsoftが日本に1兆6000億円投資——AIインフラ・サイバーセキュリティ・人材育成の3本柱で国力強化

概要 Microsoftは2026年から2029年にかけて日本に100億ドル(約1兆6000億円)を投資する計画を発表した。これは2024年4月に表明した前回の投資コミットメントをさらに拡大するものであり、同社として過去最大規模の対日投資となる。Brad Smith副会長兼プレジデントが発表に際し「日本への長期的コミットメントのもと、高度なテクノロジー提供と安全で信頼性の高いインフラ構築に取り組む」と述べ、高市早苗首相も「データ主権を重視した意義深い投資」として歓迎のコメントを発表した。 投資計画は「テクノロジー」「信頼」「人材」の3本柱で構成されており、急速に進展するAI活用ニーズと、日本が抱える労働力不足やデータ主権要件に対応することを狙いとしている。日本の労働年齢人口の約5人に1人がすでに生成AIツールを活用している(世界平均は6人に1人)という高い普及率も、今回の大規模投資を後押しする背景となっている。 AIインフラ:国内GPU資源の拡充 テクノロジー面では、さくらインターネットおよびソフトバンクと連携し、Microsoft Azureからアクセス可能な日本国内のGPUを含むAI計算資源を提供するソリューションを共同開発する。これによりデータレジデンシー(データの物理的所在地を日本国内に置くこと)が確保され、精密製造・ロボティクス・国産LLM開発といった用途への対応が可能になる。 また、Azure Localを拡張し、パブリッククラウドとの接続が断続的または切断された環境でもミッションクリティカルなワークロードを実行できるようにする。GitHub Enterprise Cloudにおいても日本国内でのデータレジデンシーを提供し、政府機関や重要インフラを運営する企業が安心して利用できる環境を整備する。 サイバーセキュリティ:官民の脅威インテリジェンス共有 信頼面では、国家サイバー統括室との協力のもと、脅威インテリジェンスの相互共有を実施する。さらにMicrosoftのデジタル犯罪対策部門(DCU)が警察庁および日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と協働し、悪意あるインフラの特定・無力化に向けた共同取り組みを推進する。国家安全保障と経済安全保障を優先事項に位置づける高市政権の政策方向性とも合致した体制といえる。 人材育成:2030年までに100万人のエンジニアを育成 人材面では、NTTデータ・ソフトバンク・NEC・日立製作所・富士通との協力のもと、2030年までに100万人のエンジニアおよび開発者を育成することを目標に掲げる。トレーニング対象はMicrosoft Azure、Microsoft Foundry、GitHub Copilot、Microsoft 365 Copilotなど幅広い。 また、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会と連携して約58万人の組合員にAIの基礎スキルを提供する取り組みも計画しており、2025年10月開始のパイロットプログラムから全国展開を予定している。半導体産業への支援として「九州半導体人材育成等コンソーシアム」にも参画し、CyberSmart AIプログラムを九州全域で拡大する。さらに高市政権が推進する「AI for Science」に呼応して総額100万ドルの研究助成プログラムを開始し、次世代研究リーダー向けフェローシップを提供する計画だ。Microsoftは2024年4月以降の前回コミットメントでも340万人以上のAIスキル習得を支援しており、今回の取り組みはその成果を踏まえた発展的拡張と位置づけられる。

April 18, 2026

OpenAI Codexが大幅刷新、PC自律操作や90以上のプラグイン対応で汎用AIエージェントへ進化

概要 OpenAIは2026年4月、コーディング支援AIツール「Codex」のデスクトップアプリ(macOS/Windows)に対して大幅なアップデートを実施した。今回の刷新では、PC画面の自律操作(computer use)、内蔵ウェブブラウザ、画像生成連携、90以上の外部プラグイン対応など、多岐にわたる新機能が追加されている。これにより、Codexはコーディング専用のツールから、あらゆる作業を担う汎用AIエージェントへと大きく進化した。アップデートはChatGPT認証済みのCodexデスクトップアプリユーザーへ段階的に提供される。 主要な新機能 最も注目される新機能が「computer use」と呼ばれるPC自律操作機能だ。Codexが独自のカーソルを操作してPC画面を直接制御できるようになり、たとえばXcodeでアプリを起動し、三目並べゲームのバグ(「プレイヤーの1クリックに対してコンピュータが2手進む」という不具合)を発見して自動修正するデモが披露された。macOS向けに先行提供され、複数エージェントの並列実行時もカーソルの競合が起きない設計となっている。 内蔵ウェブブラウザ機能では、Webコンテンツに対して直接指示を出すことが可能になった。ページ上の特定要素を選択して「フォントサイズを小さくしテキストを短縮して」といった指示を与えるデモが公開されており、現時点ではlocalhostのWebアプリに限定されているが、今後より広範なブラウザ制御への拡張が予定されている。さらに、GPT Image 1.5との連携による画像生成機能も追加され、Webプロジェクト内への画像配置やモックアップ・製品コンセプトの作成を一元的なワークフローで行えるようになった。 拡張エコシステムと連携機能 今回のアップデートでは、90以上のプラグインが同時に提供開始された。これらはMCP(Model Context Protocol)サーバーを介して外部アプリと連携するものであり、GitHubとのイシュー管理やデータ整理、複数プラットフォームにまたがる長期タスクの自動化を担うスケジューリング機能、マルチターミナルサポート、SSH経由のリモート環境への接続など、多彩なユースケースに対応する。 これらの拡張により、Codexは単なるコード補完・生成ツールを超え、開発ライフサイクル全体をAIが横断的に支援するプラットフォームとしての位置づけを強めている。バックグラウンドで複数のエージェントを並列実行できる点も、大規模プロジェクトへの適用を見据えた設計といえる。 今後の展望 Codexの今回の進化は、AIエージェントが人間の代わりにPCを直接操作するという「computer use」の実用化に向けた大きな一歩だ。OpenAIはlocalhostに限定している内蔵ブラウザの制御範囲を段階的に拡大する方針を示しており、今後はより複雑なWebタスクの自動化も視野に入ってくる。コーディング支援から始まったCodexが、あらゆる知的作業を担う汎用エージェントへと変貌しつつある流れは、AIツール全体の進化方向を示す象徴的な動きといえる。

April 18, 2026

TSMC 2026年Q1決算、純利益58%増で4四半期連続過去最高——CapEx増額と通期30%超の売上成長を見込む

記録的な業績:Q1純利益は58%増 世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)であるTSMCは2026年4月16日、2026年第1四半期の決算を発表した。純利益はNT$5,724億8,000万(約181億ドル)で前年同期比58.3%増を達成し、4四半期連続で過去最高を更新した。売上高はNT$1兆1,340億(約359億ドル)で前年同期比35.1%増、1株あたり利益(EPS)は3.49ドルと市場予測の3.31ドルを上回った。粗利益率66.2%、営業利益率58.1%と高水準の収益性を維持した。 業績を牽引したのはAI・データセンター向けのHPCセグメントで、売上全体の61%(約219億ドル)を占めた。これは2024年Q1の46%(87億ドル)から大幅に拡大しており、AIがTSMCの収益構造を根本から塗り替えつつあることを示している。先端プロセス(7nm以下)の売上比率は約75%に達し、3nmプロセス単体でも全体の約25%を占めた。一方、かつて主力だったスマートフォン向け売上は全体の26%に縮小し、AI需要の圧倒的な拡大がはっきりと浮かび上がった。 「AIメガトレンド」を確信:CapExと通期ガイダンスを上方修正 2026年通期の設備投資(CapEx)は520億〜560億ドルのレンジで上限付近を目指す方針に上方修正された。2025年実績の409億ドルに比べて約37%増となり、単年で過去3年間の累計(1,010億ドル)の半分超に相当する投資規模となる。投資の70〜80%を2nmおよび3nmプロセス技術に、10〜20%をCoWoSなど先端パッケージング技術に充当する計画だ。CoWoSのパッケージング能力は2026年末までに月産13〜15万枚規模への拡大を予定している。 通期の売上成長率は前年比30%超と見込まれており、2026年Q2のガイダンスは390億〜402億ドルと示された。CEO C.C. Weiは「AI関連需要は引き続き非常に力強く、マルチイヤーのAIメガトレンドへの確信は依然として高い。半導体需要は今後も非常に根本的な形で続くと考えている」と述べ、大規模な資本投資の継続を正当化した。今後3年間のCapExも過去3年間を「大幅に上回る」水準を予定しているという。 中東情勢がリスク要因として浮上 一方で、中東情勢の悪化がコスト面でのリスク要因として警告された。TSMCの製造プロセスに欠かせないヘリウムや水素などの特殊ガス・化学品は中東地域からも供給されており、紛争の激化によって調達コストが上昇する可能性がある。CFO Wendell Huangは「複数の地域から複数のサプライヤーを通じて調達し、安全在庫も確保しているため、近期の操業への直接的な影響は想定していない」としながらも、「特定の化学品・ガスの価格は上昇する可能性が高い」と認めた。C.C. Weiも「中東での最近の状況はマクロ経済的な不確実性をさらに高めている。そのため事業計画において慎重な姿勢をとっている」と発言しており、記録的な好業績の裏で地政学リスクへの警戒が続いている。

April 18, 2026